不動産投資やオフィス賃貸でよく聞く「レンタブル比」。聞いたことはあっても、具体的にどう計算するのか、オフィスや商業施設でどのような目安があるのか分からない人も多いでしょう。本記事ではレンタブル比をわかりやすく解説し、物件選びや賃料設定に役立つ知識を網羅します。
1. レンタブル比とは何かをわかりやすく解説
レンタブル比とは、建物の総面積に対して実際に賃貸収入を生む「貸せる面積(レンタブル面積)」の割合を示す指標です。この比率が高いほど、収益性の高い物件と判断できます。
1-1. レンタブル比の重要性
レンタブル比は、オフィスや商業施設、マンションの賃貸効率を判断する重要な指標です。単純な延床面積だけでは判断できない、収益化できる面積の割合を示すため、投資判断や賃料設定に欠かせません。
1-2. レンタブル面積とグロス面積の違い
レンタブル面積:テナントに貸せる面積
グロス面積:建物全体の面積(共用部分も含む)
レンタブル比は、レンタブル面積÷グロス面積で計算され、建物の効率性を示します。
2. レンタブル比 計算方法を詳しく解説
レンタブル比 計算方法はシンプルですが、正確に行うことが重要です。
2-1. 基本の計算式
レンタブル比(%) = (レンタブル面積 ÷ グロス面積) × 100
例えば、グロス面積が1000㎡でレンタブル面積が850㎡の場合、レンタブル比は85%となります。
2-2. 計算時の注意点
共用部分(廊下・エレベーターホール・トイレなど)の面積を正確に差し引くことがポイントです。また、オフィスと商業施設では共用部分の割合が異なるため、同じ建物種別内で比較することが重要です。
3. オフィス物件におけるレンタブル比の目安
オフィス物件は、レンタブル比が賃料収益に直結します。一般的に、レンタブル比は80%前後が目安です。
3-1. 高レンタブル比オフィスの特徴
共用部分が少なく、貸室の面積が多い
階段や廊下が効率的に配置されている
テナント単位で面積が使いやすい
レンタブル比が高いオフィスは、同じ建物面積でも収益性が高くなります。
3-2. 低レンタブル比の影響
レンタブル比が低いオフィスでは、共用部分が広すぎると収益性が下がります。賃料が高くても、実際に貸せる面積が少ないため、投資効率が低下します。
4. 商業施設におけるレンタブル比の目安
商業施設はオフィスよりもレンタブル比が高くなる傾向があります。一般的な目安は85%~90%です。
4-1. 商業施設でレンタブル比が高い理由
店舗スペースを最大化するため、共用部分を効率的に設計することが多く、貸せる面積の割合が高くなります。また、集客動線を確保する共用部分が少ない場合もあります。
4-2. 設計上の注意点
共用部分を減らしすぎると、導線が悪くなり店舗の魅力が下がる可能性があります。レンタブル比と顧客利便性のバランスを考えることが重要です。
5. マンションにおけるレンタブル比の目安
マンションでは、レンタブル比は70%~75%程度が一般的です。共用部分(廊下・エレベーターホール・階段)が多いため、オフィスや商業施設より低くなります。
5-1. マンションレンタブル比を上げる工夫
廊下幅を最小限に設計する
共用スペースを効率化する
住戸面積を最大化する
レンタブル比を上げることで、投資効率の改善につながります。
5-2. 投資判断への影響
レンタブル比が低いマンションでは、同じ延床面積でも収益性が低くなるため、物件選びの重要な指標となります。
6. レンタブル比を活用した物件比較
レンタブル比を知ることで、オフィス・商業施設・マンションの収益効率を比較できます。同じ面積でも、レンタブル比が高い物件はより効率的に収益を生む可能性があります。
6-1. 投資判断におけるポイント
同じ立地でもレンタブル比が高い物件を優先
共用部分が多い建物はコストがかかる可能性を考慮
長期的な賃料収入のシミュレーションに活用
レンタブル比は単独指標ではなく、他の収益性指標と組み合わせることが重要です。
7. レンタブル比を改善する方法
既存物件でもレンタブル比を改善する方法があります。設計変更や共用部分の効率化で、収益性を高めることが可能です。
7-1. 改善の具体例
共用スペースの縮小
ロビーや廊下の再設計
空室の有効活用
改善策を実施する際は、安全性や利便性とのバランスも考慮する必要があります。
8. まとめ:レンタブル比を理解して賢く投資判断
レンタブル比は、オフィス・商業施設・マンションの収益性を見極める重要な指標です。計算方法や目安を理解し、物件選びや賃料設定に活用することで、効率的な不動産運用が可能になります。レンタブル比を把握することで、長期的な投資判断に役立つ判断材料を手に入れることができます。
